iPhoneからAndroidへのデータ移行は、OSの違いから移行できるデータに限りがあるものの、いくつかの方法で効率的に行うことができます。
特に、USBケーブルを使った直接接続による移行は、多くのデータをまとめて移すのに適した方法です。
この方法を中心に、データ移行の準備や注意点についても解説します。
ケーブル接続での移行
iPhoneからAndroidへのデータ移行において、USBケーブルを用いた直接接続は、メーカーが提供する移行ツールを利用することで、比較的多くのデータをまとめて移すことが可能です。
例えば、シャープのAQUOSシリーズでは、「かんたんデータコピー」というツールが用意されています。
このツールは、iPhoneとAndroidスマホをUSBケーブルで直接接続し、画面の指示に従って操作することで、写真、連絡先、カレンダーのスケジュール、メモ、音楽、動画などのデータを移行できます。
移行作業は、新しいAndroidスマホの初期設定時に行うのが一般的です。
まず、移行先のAndroidスマホの電源を入れ、「ようこそ」画面から設定を開始します。
Wi-Fi設定を済ませた後、「アプリとデータのコピー」画面で「次へ」を選択します。
次に、iPhoneとAndroidスマホをUSBケーブルで接続します。
この際、iPhone側では画面ロックを解除し、自動ロックの設定を無効にしておくことが推奨されます。
また、Androidスマホ側では、Googleアカウントでログインし、利用規約に同意すると、コピーの準備が始まります。
コピーしたいデータとアプリの選択画面が表示されたら、移行したい項目にチェックを入れ、「コピー」をタップします。
iPhoneで使用していたアプリのAndroid版があれば、それらもインストール可能です。
データとアプリのコピーが開始され、完了するとメッセージが表示されます。
iMessageを使用している場合は、SMSが利用できなくなることを防ぐためにオフにするよう促されることがあります。
最後に、音楽データやメモ帳などのデータが正しく移行されているかを確認して完了です。
移行できるデータ項目
USBケーブル接続によるデータ移行ツールを利用した場合、一般的に以下のようなデータ項目が移行可能です。
*iMessage
Googleの「+メッセージ」などで表示できる場合があります。
- 発着信履歴
iOS13以上で暗号化されている場合に移行できることがあります。 - 電話帳
「連絡先」アプリに保存されます。 - カレンダー
Googleアカウントが必要です。 - メモ帳
Googleアカウントが必要で、Keepで表示できます。 - Music
内部共有ストレージの「Music」フォルダーに保存されます。 - 写真・動画
内部共有ストレージの「DCIM」フォルダーに保存されます。 - 壁紙
iPhoneにプリインストールの壁紙は移行できない場合があります。 - Wi-Fi設定
Wi-Fi設定のみ移行可能ですが、パスワードは再入力が必要です。 - アプリ
Googleアカウントが必要です。
ただし、移行できるデータ項目は、使用する移行ツールやスマートフォンの機種によって異なる場合があります。
データ移行の準備と注意点
データ移行をスムーズに進めるためには、事前の準備といくつかの注意点を把握しておくことが重要です。
移行前の確認事項
データ移行を行う前に、以下の点を確認しておきましょう。
- 充電
iPhoneとAndroidスマホの両方のバッテリー残量が80%以上あることを確認します。 - Apple IDのパスワード
Googleアカウントでのログインが必要な場合があるため、Apple IDのパスワードを控えておくと安心です。 - Googleアカウント
データ移行や一部アプリの利用にGoogleアカウントが必要になります。
事前に作成または確認しておきましょう。
- iMessageとFaceTimeのオフ
iPhoneからAndroidへ移行する場合、iMessageとFaceTimeをオフにしておくことが推奨されます。
これにより、SMSの受信などがスムーズに行えるようになります。
iPhoneの「設定」から「メッセージ」を選択し、「iMessage」をオフにします。
同様に、「FaceTime」もオフにします。
- USBケーブルとアダプター
iPhoneとAndroidスマホを接続するためのUSBケーブルと、必要に応じて変換アダプター(クイックスイッチアダプターなど)を用意します。
移行時の注意点
データ移行作業中に予期せぬトラブルを防ぐために、以下の点に注意してください。
- 移行時間の確保
移行するデータの量や通信環境によっては、完了までに時間がかかる場合があります。
特に、ケーブル接続による移行でも、最大で48時間程度かかるケースも報告されています。
時間に余裕を持って作業を行いましょう。
- 画面ロックの解除
移行作業中に画面ロックがかかると、操作が中断されることがあります。
事前にiPhoneの自動ロック設定を無効にするなど、画面ロックがかからないようにしておきましょう。
- リセットの必要性
Androidスマホのセットアップを一度完了してしまった後に、iPhoneからのデータ移行を行いたい場合は、一度スマホをリセットして工場出荷時の状態に戻す必要がある場合があります。
リセット操作は全てのデータを削除するため、慎重に行ってください。
- 個別アプリの引き継ぎ
LINEやゲームアプリなど、一部のアプリは一括移行ツールでは引き継げない場合があります。
これらのアプリについては、各アプリの公式サイトなどで個別の引き継ぎ方法を確認し、別途対応が必要です。
まとめ
iPhoneからAndroidへのデータ移行は、USBケーブル接続による移行方法を中心に、写真や連絡先など多くのデータをまとめて移すことが可能です。
移行作業前には、充電、Apple IDやGoogleアカウントの準備、iMessageのオフなどを確認しておきましょう。
移行中は、時間に余裕を持ち、画面ロック解除や個別アプリの引き継ぎ方法も考慮することが大切です。
これらの準備と注意点を踏まえることで、スムーズな機種変更が可能になります。